NPO法人はみんぐアニマル 開放型保護猫シェルター にゃんliving / 代表 砂田浩子
保護猫シェルター〈にゃんliving〉で、新しい挑戦が始まろうとしている。猫たちの暮らすこの場所を拠点に、就労継続支援B型事業所が4月1日にスタートする予定だ。
2020年に開設された〈にゃんliving〉は古民家を改装した開放型の保護猫シェルターで、最大で30匹の猫を受け入れることができる施設。保護された猫は、ボランティア宅でワクチン接種などを終えた後にここへやってくる。
日々の飼育や社会化はシェルターが担い、譲渡契約などの手続きは愛護団体が行うなど、地域の団体と連携しながら支え合う仕組みがつくられてきた。そんな地域の猫を支える場所として機能してきた〈にゃんliving〉が、次なる取り組みとして人の福祉と動物福祉を結びつける就労継続支援B型事業所をはじめる。
シェルターに足を踏み入れると、猫たちが思い思いの場所でくつろいでいる。窓辺で日向ぼっこをする猫、そっと足元に寄ってくる猫。ここでは、そんな猫たちの世話が日々の作業になる。餌やりや清掃、体調の見守りといった基本的なケアに加え、猫じゃらしなどの猫用グッズづくりや、猫たちと触れ合いに訪れる人達の対応も作業の1つになる予定だ。
この場所が目指しているのは、「人を助けることが猫を助けることにもつながる」循環。対象となるのは、発達特性のある人や社会参加に不安を感じている人、ひきこもり経験のある人など。一般就労の場ではうまく力を発揮できなかった人でも、猫との関わりを通してなら自然と役割を見つけられるかもしれない。
「〈にゃんliving〉を運営する中で、人と向き合うことが難しくても猫の世話ならできる方々がいることを知りました。もともと〈NPO法人はみんぐアニマル〉では動物愛護活動をする人々の支援をしてきた団体で、その活動を広げる形でB型事業所を開所することに」と、代表の砂田さんは近寄ってきた猫を撫でながら語る。
静かにケージを掃除して、餌を用意し、小さな命の変化に気づく。そんな積み重ねが、「自分にもできることがある」という感覚を少しずつ育てていく。ここは、社会に関わるための大きな一歩というよりも、まずは小さくとも踏み出すための場所なのだ。
近年はTNR(不妊去勢)活動が広がり、地域からの保護依頼は減少してきた。一方で、多頭飼育崩壊や飼い主の急な入院など、行き場を失う猫たちは今も存在している。そうした命を受け止める場所でありながら、同時に人の居場所にもなろうとしているのが、この取り組みだ。
「人のための活動が、結果として猫も支える」。寄付だけに頼らない持続可能な仕組みを目指しながら、猫と人が互いに支え合う関係を育てていく。〈にゃんliving〉は、猫のシェルターであると同時に、誰かがもう一度社会へ向かうための小さな玄関口でもある。






















