CATCH THE NOW! | 2025.07.10

落合氏が提示する、 壮大な思想実験に喚起されるものとは?

日下部民藝館令和7年度特別展 落合陽一個展 総集編 「ヌルのテトラレンマ 記号に帰納する人間の物語」
今年のポスターの写真
〈日下部民藝館〉にて初披露されるのは、落合陽一氏による新作彫刻《鵺 null-e(ヌエ)》。飛騨高山・日下部民藝館の空間と呼応するように構想されたこの作品は、「テトラレンマ」の思想を具現化し、計算機自然と民藝、仏性とアルゴリズムの融合を象徴する1点となる。

「人間である」「人間でない」「人間であり、人間でない」「人間でなく、人間でなくもない」ー、メディアアーティストの落合陽一氏による4つの命題を提示する壮大な思想実験《ヌルのテトラレンマ》が、飛騨高山という歴史と民藝の文脈の中で実空間に現れる。令和3年から始まり、これまで5年間に渡り行われた〈日下部民藝館〉とのクリエーションの総括となる今回の展示会。新作が加わることで100点以上となる作品が、〈日下部民藝館〉〈吉島家住宅〉〈おんど〉の3ヶ所の会場にて展示される。

日下部民藝館の外観写真

〈日下部民藝館〉では「人間でなく、人間でなくもない」という曖昧な存在状態を主題に、鏡とLEDによるデジタル空間を展開。自己と空間の輪郭を揺さぶる。

吉島家住宅の外観写真

〈吉島家住宅〉では、「人間でない」存在、すなわちオブジェクト指向菩薩が司る脱人間中心の世界=計算機自然を象徴するインスタレーションが広がる。

おんどの外観写真

〈おんど〉では、「人間である」ことの感覚や身体性を起点に、デジタルと生身の共生を視覚化し共感覚的な体験を。

学芸員・日下部さんの写真

「各会場には、それぞれについての落合陽一のステイトメントが記された御朱印が置かれ、スタンプラリーも! 作品を軸に下町を巡って楽しんでいただきたいですね」と学芸員・日下部さん。

また今回の展示は、大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン「null²」とも共鳴。それぞれのテトラレンマ(4つの命題)が呼応し合うことで、ポストヒューマン時代の人間のあり方について、思いを巡らせてみたい。

落合陽一氏の写真

落合陽一 メディアアーティスト(Photo by 蜷川実花)

1987年生。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開。筑波大学准教授。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサー。「落合陽一 × 日本フィルプロジェクト2018-2025」の演出を務めるなど、さまざまな分野とのコラボレーションも手掛る。

イベント情報

日下部民藝館令和7年度特別展 落合陽一個展 総集編「ヌルのテトラレンマ 記号に帰納する人間の物語」

場所
日下部民藝館 、吉島家住宅、おんど
岐阜県高山市大新町1丁目、下二之町
日時
6/28(土)〜9/15(月・祝) 10時~16時[おんどは月火水8時〜17時・木〜日8時〜21時] / 会期中無休
共通入館チケット
(日下部民藝館・吉島家住宅・おんどの各会場共通チケット、〈おんど〉で使える飲食・物販クーポン付き) ¥3,000(税込)
主催
公益財団法人日下部民芸館 ※令和7年度日本博2.0(補助型)(独立行政法人日本芸術文化振興会 / 文化庁) / 高山市文化芸術活動支援事業

これは2025年6月25日発刊の月刊BLESS誌面にて掲載された内容です。

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