Editors journal | 2025.11.10

行ってきました from現場リサーチ隊

〈function!〉

音楽とナチュールワインを楽しむこのイベントもVol.3。さて今年は?

case.35 ライブ

昨年、ユアソンの別編成〈CHILL&DUB〉をブッキングして大盛況だった「function!」が、今年駒を進めたのは〈飛驒の里〉。

ぎっしりだったフードエリア!
昼間はライブで大盛り上がりだった!

池をバックに設営されたステージにてスピンした川辺ヒロシ氏のDJに続いて、マイクの前に立ったのは鹿野秀史氏と藤原ヒロシ氏のデュオ。

心配していた雨も小雨。150人以上のオーディエンスが耳を傾けた。
主催の2人、〈BLEU〉山際さんと〈こうぼう〉マッキー氏。
藤原ヒロシさんを高山で見れるなんて…!

クラブDJの先駆けとして活動してきた藤原氏が、いま手にするのはまさかのアコギ。しあわせについて唄うその音楽に体を揺らしながらナチュールのグラスを傾ければ、並ぶ出店の美味しフードもほぼソールドアウト。極上の音楽と食が、飛騨の夜の空に溶けていった。


〈芥川賞候補作家・駒田隼也さんトークイベント〉

『鳥の夢の場合』でノミネートされた若き俊英の語る声が煥章館のロビーを包んだ。

case.36 講演会

[駒田隼也(こまだ・じゅんや)]
1995年京都府生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)文芸表現学科卒業。2025年「鳥の夢の場合」で第68回群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作が第173回芥川賞候補となる。

芥川賞候補作家に「文学青年」もないが、背高の飛騨家具に小さく座った駒田さんにそんな印象を持つ。幼馴染の〈住職書房〉藤原さんが聞き手ゆえこそのエピソードが披露される。「誰かの思い出話も、各人の本筋らしきものに重ね書きしうる」。小説観を語る時も駒田さんは偉ぶりも過度な謙遜も見せない。

気づけば、客席にいた女性がトークの輪にいる。視点をリレーする人らが溶けあい、ひとつに発光していた。それは「小説に勝手に救われてきた」と語る、ただひとりの読者であった作家が描いた風景にどこか似ていた。

これは2025年10月25日発刊の月刊BLESS誌面にて掲載された内容です。

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