「小さな声で話す」のと、「話さない」のではずいぶん違う。その「話さない」方向へとシフトして営みを続けるカフェは全国的に見てもそうはない。この土地に心惹かれた祖父が開いたスキー・ロッジは、孫娘のまこさんの代になり、「おしゃべりをしない」時間を楽しむ山の上のカフェとなった。昭和の頃の趣を残すテーブルや食器と、そこに店主の好みを映したメニュー。懐かしさを感じさせながらも簡素でつつましやかな空間は、カフェでありながら「一人」になれるどこにもない場所になった。奥のテーブルに控えめに並べられた本や絵本に、センターの棚には選び抜いた小さな雑貨とお手紙セット。心に溜まったものをおろしたくなる窓から見下ろす景色。ときどきしか行けないけれど、この場所にずっとあって欲しいと願いたくなる。(Y)
かつてロッジで使われていた長テーブルを縦にカットして。


















