〈Le Pain Mujo〉のパンが好きなのは、その味わいが実直だからだ。作り手である郷村さんが、思い描くクオリティに集点を当てながら石窯で焼き上げるそのパンは、飾りのないシンプルな「美味しさ」に満ちており、そのパンは日々の食事のそばにこそ似合う。そんなパンを「暮らしの中でもっと手軽に、実際に楽しめる場所があれば」と、ともかちゃんが始めたのが朝ごはんからブランチまでを食べさせてくれる〈oku〉。この店のスープセットがまた好きである。地元産の野菜を中心に仕立てられたスープは滋味深く、しっとりと蒸し上げたパンに添えられたハーブバターを塗りながらひと齧りずついただくしあわせ。食べた後は必ず自宅でもスープが作りたくなってしまう。（Y）